AERA 2005.5.23号の表紙を飾った!
「ロンドンで母とホテル住まい。父や妹弟と会えないのは寂しい」
ニュージーランドの歌姫から世界へ。母(左)と二人で世界を旅する。殺伐とした世界を彼女が癒す。
テレビドラマ「白い巨塔」(山崎豊子原作)のリメーク版で主題歌「アメージング・グレイス」を歌って話題をよび、この春に公開された日本映画「ローレライ」(福井春敏原作)でも主題歌「モーツァルトの子守歌」を担当。劇場に今年もピュアボイスが響いた。
「二つの作品でチャンスをもらったことにとても感謝しています。私の歌がどんな感じでドラマの場面と絡み合うのかイメージがわかなかったのだけれど、作品をみてバランスがとてもいいと思った」
ニュージーランドの南島、クライストチャーチ育ちの18歳。街角で、妹弟と歌っているところを音楽関係者の目にとまった。
最近はロンドンに本拠地を移して活動。エリザベス女王とブッシュ大統領の夕食会でも歌い、心地よい歌声はそこでも絶賛された。
「女王陛下の前でもう一度歌う機会があったの。覚えていてくださって、感激しました」
こうした彼女の活躍は、いまも元首に女王を戴くニュージーランドの国民にとって関心の的だ。ウィリアム英王子をどう思うかは、取材の決まり文句らしい。
「お母様の影響なのかしら、チャリティーや第三世界の子どもたちの貧困にも関心があって、優しい人だと思います。」
王子様と国民的スター。国民は2人に期待しているんじゃない?とつっこむと、クスクスと笑った。
「どうやら、そうみたい」
”天使”とまではいわないが、屈託のない話し方や表情は、澄みきった歌声同様、会う人の気持ちを和ませる。
日本でも人気の庶民はテノール歌手、ラッセル・ワトソンや、ビートルズのプロデューサー、ジョージ・マーチン、世界三大テノールのホセ・カレーラスといった大物が次々に共演やサポートを買って出たのも、そんな彼女の内面と無縁ではないだろう。
「感謝することばかり。遠い将来は分からないけれど、近い将来の目標ならあるわ。自分の歌を自分で作りたいし、歌の技術も高めたい。いろんなジャンルを歌いたい」
歌手になる前、海外に出たのは、両親が当てた景品のハワイ旅行の一度だけ。
環境の変化に戸惑いそうなものだが、すべてが楽しくて仕方ないといった表情で、最後まで笑顔を絶やさなかった。編集部 藤生明
photo 写真センター・葛谷晋吾
表紙 坂田栄一郎